
5時37分頃、コスモ石油千葉製油所(千葉県市原市)にある減圧軽油脱硫装置と第一水素製造装置付近で爆発、火災が発生しました。消防および製油所内消防隊が出動し、午前8時44分に鎮火しました。設備は損傷しましたが、幸いなことにけが人はなく、近隣住民への健康被害等もありませんでした。
この事故を受けて事故調査委員会を設置、原因調査結果と再発防止策を調査報告書に取りまとめ、2006年6月20日に市原市消防本部および千葉県に提出しました。
事故の原因は、水素製造装置内の「気液分離槽」の胴板に摩耗と腐食による穴が開いたことです。1996年に内部構造を変更したことにより流体の流れが変わり、減肉が早まったと考えられますが、当時はそれが予測できず、その結果減肉が発見できないまま今回にいたってしまいました。
事故後は内部構造を「インナーノズルタイプ」から「バッフルタイプ」へと再度変更。減肉しにくい構造に戻し、材質も高強度のものを使用するなど再発の防止を図ることとしました。

気液分離槽*1
事故調査報告書を提出した後、7月4日に「企業倫理ヘルプライン」に匿名の書面が届きました。今回事故があった気液分離槽では1995年にも同様の事故が発生していたにもかかわらず、それに一切触れていないこと。構造を元に戻すことによってその事故を隠すものではないか、と指摘する内容でした。企業倫理委員会が中心となって調査したところ、同年の事故について行政当局に通報していなかったことや、穴の開いた箇所を無許可で補修していたことが明らかになりました。さらに、すでに提出していた事故調査報告書では、測定した事実のない肉厚データを正しいものとして記載していたのです。
8月4日、市原市消防本部と千葉県に対して報告し、陳謝しました。
コスモ石油では調査チームを編成し、聞き取り調査や社内文書・記録類の調査を実施。1995年の千葉製油所における気液分離槽の事故と、1997年以降の高圧ガス保安法に基づく法令違反に関して調査した結果を、8月31日に原子力安全・保安院と千葉県に提出しました。
また、その後の調査でさらに法令違反事例が判明。それらを加えて修正した報告書を、10月3日に再提出しています。
1.安全管理体制の再構築
「チェンジ21活動推進委員会」を設置し、従来の安全管理活動を見直すとともに新たな活動を追加し、安全管理体制の再構築を図っています。技術的な側面(「保全レベルの向上」)と、管理体制の側面(「確実な取り組み・運用」)からアプローチした再発防止策を策定し、活動を進めています。
2.企業倫理遵守の強化
企業倫理委員会の下部組織として新たに各製油所にコンプライアンス委員会を設置し、「通報の厳格な運用」「無許可・無届工事の撤廃」「検査データの透明性」に重点をおいて取り組んでいます。また、この委員会を通じ、コンプライアンスを訴え続けることで、現場の第一線にいたるまでのグループ社員全員に企業倫理を再徹底しています。
3.生産部門けん制機能の強化
保安管理部門の意見が運転管理や設備管理に十分反映される体制をさらに強化するための施策を実施しました。保安担当役員と生産担当役員を分離し、保安担当役員・本社安全環境部・製油所安全環境室のラインを明確化しました。また、製油所での内部監査のほか、本社、他製油所からも実施状況を照合検査するなど、重畳的な監査を実施しています。
また、検査の素データは検査会社に保管することとし、サーバデータと検査の素データとの照合を監査で実施します。
【コンプライアンス委員会の開催と2007年度への継続について】 事故、法令違反の再発防止策の一環として、製油所におけるコンプライアンスの徹底を図るため、企業倫理委員会の下部組織として、各製油所コンプライアンス委員会(委員長:製油所長)を設置し、2006年10月から毎月1回の頻度で実施してきました。その結果、再発防止のための取り組みが定着してきたことから、2007年度は3ヵ月に1回の頻度で開催しています(部門、製油所によっては毎月実施)。
さらに、月次のフォロー会議を開催し、各製油所長が、個別の通報、工事対応を確認する機会を設定してモニタリングの強化を継続しています。
【全社における企業倫理推進計画】 企業倫理に関しては、引き続き啓発活動と企業倫理研修会の実施を進め、新入社員・新任管理職・新任ライン長といった人事階層別研修を継続します。また、部室長・事業所長・グループ会社社長主催の企業倫理研修会では、具体例を盛り込み各部門独自の研修テーマを設定して行います。


