事故、そして一連のコンプライアンス問題について
2006年4月の千葉製油所で発生しました火災事故と、その後判明した過去の法令違反などによって、多くの皆様に大変なご迷惑、ご心配をおかけいたしましたことを、心からお詫び申し上げます。
コスモ石油では千葉製油所の火災事故後、ただちに社外学識経験者および関係機関の方々を含めた「事故調査委員会」を設置し、事故原因の徹底解明を行い、6月下旬に調査報告書を取りまとめました。
その2週間後、この事故が発生した同じ装置で、1995年にも事故が発生したにもかかわらずその届け出を怠っていたことなどが、内部通報によって明らかになりました。さらに、その後の調査により、四日市、堺、坂出の製油所においても、無許可補修などの法令違反があったことが判明いたしました。
このような重大な事態を引き起こしたことに対し、経営者、管理者の責任を問うとともに、全社をあげて真摯に反省し、さらなる原因の究明と再発防止に取り組み、信頼の回復に努めてまいります。
今回の不祥事への反省
=コンプライアンスの徹底と意識改革=
今回の事故調査委員会がまとめた報告書には、過去に同じ装置で同様の事故があったことについて触れられておりませんでした。一部の関係者はこれを把握していたにもかかわらず、事実を明らかにすることができませんでした。
一連のコンプライアンス違反、そしてその問題を明らかにできなかった背景には、いくつかの要素が考えられます。まず、石油を安定して供給する責任もあり、生産を継続したいとの強い思いや生産現場では危険が伴うだけに安全確保のため、ピラミッド型の責任体制が徹底されていますが、その一方で横の連携、ボトムアップによるコミュニケーションに欠けている面などもありましてコンプライアンスの意識が薄れてしまっていたのではないかと思います。
石油プラントは危険物である石油を取り扱っており、その安全確保は自分たちの責任であるという意識を、私たちは非常に高く持っています。しかし、公共性が高く、危険も多い事業であるからこそ、法令によっても厳しく管理され、二重、三重のチェックが働くようになっており、同時に徹底したコンプライアンスの上に、社会の皆様からの信頼をいただくことが、事業を行う上で何より大切です。
こういったコンプライアンスの意味を社員一人ひとりがしっかりと理解し、そしてさまざまな立場の社員が共有して初めて、信頼回復に向けた第一歩が踏み出せると考えます。業務フローの見直しや製油所コンプライアンス委員会の設置といった再発防止に向けた仕組みの強化を図るとともに、経営者として率先して、社会の一員である企業が果たすべき役割とは何か、その土台である社員一人ひとりが果たすべき役割とは何かを問いかけ、社内の意識改革に尽力していく所存です。
また、私を含め、製油所長、支店長、部室長などのトップが率先してコミュニケーションを図り、現場の声を拾い上げられる風通しの良い企業風土づくりに取り組んでまいります。
信頼の回復に向けて
=コスモ石油グループの役割を追求する=
私たちコスモ石油グループの役割は、個人の生活や産業を支えるエネルギーを、安全に、安定的に供給することを通して、経営理念を表すフレーズである「ココロも満タンに」や「ずっと地球で暮らそう。」に象徴される価値を、あらゆるステークホルダーの方々との関係の中で実現していくことです。
社員一人ひとりが携わる業務はさまざまですが、原油開発から販売にいたる活動はもとより、周辺事業や、グローバルに持続可能な社会の実現を見据えた環境への取り組みを含むあらゆる活動の現場で、私たちの果たす「役割」を認識して業務を遂行していくことこそ、コスモ石油が社会から存続を許される企業であるための証であります。
コスモ石油グループは2005年度からCSR経営の推進強化を経営計画の柱のひとつに掲げて、安全管理の再徹底や、コンプライアンス意識の浸透に向けた取り組みを始めました。また、今年2月には国連グローバル・コンパクトに署名し、国際社会の一員としてもコスモ石油の企業姿勢をお約束しました。今回の不祥事はそのような中で判明しました。
ステークホルダーの皆様からの信頼の回復に向けて、私たちが果たす役割とは何か、社会に提供できる価値とは何かという初心に戻り、再発防止に全社一丸で取り組んでまいりたいと思います。
今後、引き続き全容解明に努め、ホームページ上で迅速に情報開示を行うとともに、取り組みや再発防止策について、来年度の報告書にて、さらにご報告させていただきたいと思います。今後ともコスモ石油グループへの皆様のご指導とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
コスモ石油株式会社 代表取締役社長
木村 彌一
