コスモ石油株式会社(本社:東京都港区芝浦1-1-1 資本金:1,072億円 代表取締役社長:木村 彌一)は、アラブ首長国連邦(以下、UAE)のアブダビ政府系機関であるMASDAR~アブダビ・フューチャー・エナジー・カンパニー(以下MASDAR-ADFEC)と共同で、東京工業大学(以下、東工大)と集光太陽熱発電技術開発のための共同研究開発契約を締結しましたのでお知らせ致します。
本日、当社は、UAEのアブダビ政府系機関であるMASDAR-ADFECと共同で、東工大が持つビーム・ダウン方式による集光太陽熱発電独自技術の実証実験を行うための共同研究開発契約を東工大と締結しました。本共同研究開発に必要な資金は、当社、並びにMASDAR-ADFECがそれぞれ50%ずつ拠出し、東工大は各種独自技術の提供ならびに技術移転、人材育成を行います。
本共同研究開発は、UAE国内への技術移転や次世代の人材育成のために設けられた国家方針であるマスダール・イニシアティブの基盤となるマスダール・リサーチ・ネットワーク(以下、MRN)の枠組みの中で実施されます。MRNは、世界中の科学技術系大学や産業界の協力により、化石燃料に代わる多種多様な新エネルギー研究開発を実施し、ノウハウの蓄積を狙っています。
集光太陽熱発電技術は、MRNの中の最重要研究開発のひとつに位置づけられており、MRNは太陽熱エネルギーを利用した最先端発電技術開発の将来性に大きな期待を寄せています。
集光太陽熱発電技術には、大きく分けてトラフ型とタワートップ型があります。トラフ型とは、広大な用地に敷き詰められた集光設備を用い、反射させた太陽光を、熱を伝達するチューブに集め、その熱を利用して蒸気タービンを回して発電する手法で、実際に大規模な集光太陽熱発電として商業化されています。
一方、タワートップ型は、敷き詰められた反射鏡(ヘリオスタット)を用いて、敷地全体に降り注ぐ太陽光を敷地中央のタワー先端に取り付けた太陽炉に集光して、その熱を利用して発電する手法で、トラフ型より、相対的に発電コストは低いと言われています。
今回の共同研究開発では、東工大炭素循環エネルギー研究センター 玉浦裕(たまうら ゆたか)教授が提案してきた東工大式ソーラータワービームダウン集光技術を実証し、太陽熱発電コストのさらなる低減をめざします。この技術はタワートップ型をさらに進化させたもので、一度タワー先端に集光された太陽光を、東工大独自技術を結集した中央反射鏡により地面に据え置きした太陽炉に再反射させます。太陽炉を地面に据え置くことによって、建設コストやメンテナンスコストを低減することが可能です。来年100kWの実証実験プラントを建設し、実証実験の結果次第では、商業化プラント建設準備に入ります。
< 関係者コメント >
MASDAR-ADFEC スルタン・ジャバーCEO
今回の共同研究は、MASDAR-ADFECが日本最高レベルの研究機関との連携関係を構築するための重要な出来事です。東工大は、工学技術、科学技術ならびに環境技術において世界レベルの研究ポテンシャルを有しています。今回の共同研究により、UAEが世界トップレベルの科学技術発信地となるという我々の目標に一歩近づきました。
コスモ石油 木村彌一(きむら やいち)社長
中東産油国を含む世界のサンベルト地帯での集光太陽熱発電事業は世界で大変注目されています。今回の共同研究契約の締結は、未来への投資の第一歩であり、今後の研究成果によっては、当社の非石油事業のコアに成長する可能性を秘めています。1968年のアブダビ石油設立以来、UAEとは大変良好な関係構築を継続しており、今後もさらなる重層的関係構築をめざしています。 産業構造の多角化や次世代の育成をめざすUAEの発展は、当社へ必ず良い影響を及ぼすと認識しており、今回、当社の新エネルギー開発への意気込みがUAE政府の目標と一致し、本共同研究契約締結に結びついたことで、同国とさらなる関係構築を図れることに大きな喜びを感じています。
東京工業大学 伊賀健一(いが けんいち)学長
本学の太陽熱発電技術が世界的な見地から高い水準にあると認識しています。本共同研究プロジェクトが推進されることにより、将来、本学の研究が世界のエネルギー供給に大きな貢献をすることを期待します。同時に、本プロジェクトを通じて、学術・教育面からの太陽熱発電技術者・研究者の育成に東工大として貢献したいと思います。
