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こうかんエッセイ 第22回 ~コスモと考えるフィランソロピーの今日・未来(あした)~

2008年6月11日Vol.22

ボランティアもコラボレーションの時代…

川崎病支援研究所 理事 福岡 保

皆さんは、「川崎病」ってご存じですか?
公害病?と答えた人もいるかも知れません。実際に、私もその一人でした…十数年前までは…。
川崎病とは、主に4歳以下の乳幼児がかかる、原因不明の病気の名称です。
急に高熱が出て、全身に赤い発疹が現われ、目や唇、舌、口の中が充血し、手にひらや足の裏も赤くなります。
冠状動脈瘤が後遺症として残ることもあり、そのために心筋梗塞や突然死の原因となる特異な病気です。
1961年に川崎富作先生が発見したことから、「川崎病」と呼ばれていて、日本でも毎年10,000人以上の子供達が、この病気に苦しんでおり、発見されてから40年以上経った現在でも未だに原因不明なのです。

 

14年前…私が最初に「川崎病」を知ったのは、甥が生後1年を過ぎた正月のことでした。 兄からの電話では、「川崎病という病気らしく、暫く入院して治療しなければならない」とのことでした。 全身が赤くなり、高熱が続きました。小さな体は、生まれて1年で原因不明の病と戦うことになったのです。 1ヶ月後…幸いにも担当医の早期の診断と対応のお陰もあって、後遺症は残らず、無事退院することが出来ました。 その時の兄と義姉の安堵の表情は今でも記憶に残っています。その甥も今年で中学3年生。 20歳になるまでは、毎年検診はあるものの、元気に学校に通い、野球部で白球を追いかける毎日を送っています。

そして今から5年前、川崎病の研究支援の為に10年以上に渡り、募金活動していた中西晃氏に出会います。 中西氏のご子息は1歳の時に川崎病にかかり、半年間の入院生活を送るほど重い症状が続いたそうです。 日々不安に駆られていた時に、川崎先生に直接お会いし助けて頂いたご縁で、「子供を苦しめる川崎病を撲滅したい」と思い、個人で川崎病研究のために寄付を行ってきたと聞きました。 私も、身内で同じ病で不安を感じた経験もあり、微力ながら支援活動の手伝いをしたいと、参加を決めたのです。 2003年10月には、川崎富作先生のご意志を受け、川崎病支援研究所を設立しましたが、初めは、個人数名、4~5社の中小企業が各々寄付金を集めるといった小規模の活動でした。 しかし、年々、その輪は広がり、2004年にある転機が訪れます。

活動を開始してから2年目。新たに支援活動に参加を表明してくれたのが、ロシア国立ボリショイサーカスでした。 ボリショイサーカスは、来日51年目。半世紀以上も日本公演を続けている信頼と実績のあるエンターテイメントです。私も子供の頃、常人離れのアクロバティックな動きや大きな動物とのパフォーマンスを目の前にして感動したのを覚えています。 そのボリショイサーカスが、川崎病研究支援の為にサーカスチケットを特別割引料金で提供してくれるだけでなく、チケット1枚につき100円を寄付する仕組みを作ってくれたのです。サーカスは夏休み期間に全国で公演されます。親子が一緒に楽しめるイベントなので、川崎病のことを多くの人たちに知ってもらい、活動に参加しやすいシステムを作ることが可能になりました。 2004年には6,876名、2005年には7,677名、2006年には9,572、2007年には10,825名の一般の方々が、賛同してくださっています。 また、昨年、シアトルマリナーズのトレーナーとして活躍する森本貴義氏の主催で「川崎病チャリティゴルフコンペ」を開催し、城島選手が参加。プレー終了後には、「川崎病研究支援」に賛同したイチロー、ジータ、サミーソーサ等多数のメジャーリーガーからのサイン入りバット、ボールがオークションされ、その収益金全てを寄付して頂くなど、活動は着実に広がりを見せています。

社会貢献活動は頭で解っていても、いざ行動をするとなると容易ではありません。継続していくことは更に難しいことです。楽しい場所があり、その空間を利用してメッセージを伝えていくことで、多くの人が参加しやすい状況になると思います。今夏は、ボリショイサーカスの協力を得て、「川崎病研究チャリティー公演」を東京・横浜・名古屋・大阪で予定しています。

私は、一日も早く、川崎病の原因究明が進み、予防法が確立し、一人でも多くの子供達が安心して元気に明るい未来を掴めるよう、微力ながら応援していきたいと思います。 昨今、何かとコミュニケーション不足が指摘されています。企業や個人の枠を越えた、異業種コラボレーションの活動が、親子が一緒にいる時間が増える夏休みに、一緒に楽しめるイベントを通して、子供を苦しめる病があることを知り、小さな社会貢献に参加し、今ある幸せを改めて感じる…そんな親子コミュニケーションのきっかけになってくれることを願っています。

国立ボリショイサーカス 2008
川崎病研究チャリティー公演スケジュール
東京公演(東京体育館)    7月21日(月曜日・祝日) 17時開演
横浜公演(横浜文化体育館) 8月3日(日曜日) 16時30分開演
大阪公演(大阪府立体育館) 8月10日(日曜日) 16時30分開演
名古屋公演(愛知県体育館) 8月22日(金曜日) 16時30分開演
お問い合わせは、下記まで
川崎病支援研究所
東京都品川区西五反田8丁目4番14号
電話 03-3490-8787
URL:http://www.kawasaki-dr.jp
※上記以外の公演情報も詳しく掲載しています
写真:
川崎富作氏 “川崎病”発見者
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ボリショイサーカス
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ボリショイ寄付金贈呈
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コンペのオークション
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チャリティコンペ主催者から寄付金贈呈
福岡さんの写真
福岡 保
【Tamotsu Fukuoka】
プロフィール
1968年生まれ 埼玉県春日部市出身。
  • 1992年 中央大学法学部を卒業後、航空会社に勤務。
  • 2001年 4名の同志とベンチャー企業を立ち上げ、中国ビジネスを開始。
  • 2003年 川崎先生と中西晃氏に出会い、川崎病研究の為の支援活動に参加
  • 2004年 中国農村部を歩き廻る中、環境破壊が進む現実を目の当たりにし、植林活動を始める(2007年にはコスモ石油が支援する植林活動に初参加)
2007年より、川崎病支援研究所の理事を務める。
本文ここまで

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