| 2006年4月11日Vol.17 |
私が医療機関へ研修に行った時の出来事ですが、極度の貧血治療のため輸血を受けるために来院されたお年寄りがいました。貧血のため、顔は青白く、立っているのもやっとの状態での来院でした。しかし、輸血をはじめて数分後、徐々に顔色は良くなり、終了後にはほんのり赤い顔をして「今日は元気な人の血をもらったわ!すごく調子がいい!食欲がでてきた!」と言い残し、しっかりとした足取りで病院を後にしました。このような患者さん、またこれ以上の輸血で命を救われた患者さんがたくさんいます。私たち職員は、多くの患者さんを救うために、多くの方に献血へのご協力をいただけるよう最善を尽くします。皆さんからいただいた血液は確実に患者さんの命を救っています。
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毎日いろいろな献血会場にお伺いさせていただくと、患者さんを助けたい、人の役に立ちたいという皆さまの熱い思いを感じます。 赤十字運動は、スイス人アンリー・デュナンが、ボランティア活動として始めました。何よりも自分の熱い願いや思い、自発性を原動力として動き始めた運動です。私たち赤十字職員は、人道博愛の旗印の下に人間の苦痛を救い、人命の尊厳を守るという使命を担っています。そしてこの流れの中で常に赤十字活動のあり方を問われています。その意味で献血会場に高いモチベーションをもって献血にご協力をいただく方たちは、日々新鮮な刺激と活力をもたらしてくれる貴重な存在です。献血は、他のボランティアと違って、自分の活動がすぐ目の前の方に喜んでいただけるということはありません。しかし、それでも、多くの献血者の皆様は患者さんのために役立ちたいと、熱い思いから献血会場へ足を運んでくださいます。 輸血医療はそれを必要とする患者さんに、血液を提供して下さる供血者(ドナー)があってはじめて成り立つ医療であり、血液の提供者と輸血を必要とする患者さんの相互の理解が必要です。輸血を受けた患者さんに良い輸血が受けられたと喜んでいただき、同時に献血していただいた献血者にも、その血液が有効利用されて患者さんを救ったということで満足してもらうことが血液事業の基本であると考えています。今、輸血が必要な人がいます。そして、あなたの献血が病気やケガで輸血を必要としている人に届きます。あなたと誰かをつなぐ献血。血液を必要とされている人と、献血に協力してくださる人の、心と心の橋渡し役。血液を結ぶということは「心を結ぶ」ということ。私たちは温かな心と心のコミュニケーションのお手伝いができればと思っています。 |
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現在、全国で1年間に約547万人(延べ人数)、東京都内で約61万人(延べ人数)の方から献血へのご協力をいただき、その血液は輸血を中心とした医療を支えています。
日本の血液事業は昭和23年から始まりました。当時は売血を主とする商業血液銀行がその役割を担っておりましたが、売血による輸血用血液は質が低く、輸血後の肝炎の続発や頻回献血者の健康悪化が問題となり、血液事業の在り方が社会の批判を浴びるところとなりました。その後、昭和39年8月の閣議で輸血用血液は献血によってのみ確保することを決定しました。日本赤十字社および各国赤十字は、人道、奉仕、博愛の理念により、善意、無償の原則に基づく血液事業を推進することが大切だと考えています。
輸血に使われる血液は安全でなければなりません。しかし、この当たり前のことを実現するのは実は容易なことではないのです。皆さまに献血していただいた血液は輸血のためにさまざまな検査をします。血液型などを判定するための検査などももちろんありますが、多くのエネルギーはこの血液の安全性確保のための検査に費やされます。日本赤十字社では、患者さんが安心して輸血を受けられるよう、高感度検査法の導入や、問診の強化等を図り、世界で一番安全な血液を目指しております。
皆さまからいただいた血液は医療機関からの要請にあわせて患者さんへお届けします。可能な限り医療機関からの要請にこたえることができるよう、日々努力をしておりますが、献血ご協力者が少ない時は、十分に医療機関からの要請にこたえることができない状況が発生します。輸血用血液のほとんどは前日または当日に医療機関から供給要請が入ります。しかし、献血ご協力者が少なく、血液センターの血液在庫が少ない時には、医療機関へお届けする数量を減らしてもらうお願いをしなければなりません。
また、大量出血による緊急手術のため、一晩で100人分もの血液を緊急で要請される事もあります。得てして、お一人の患者様へそれ程の血液を使用する状況となると、血液センターの血液在庫状況は厳しくなります。ひとつの血液センターで血液在庫が足りない場合は、近県の血液センターとの調整に奔走します。患者さんには十分な血液で、十分な治療をおこなうことができるよう全国的な血液確保体制により最善の努力をしておりますが、皆さんの継続的な献血のご協力が必要です。
3つのお願い
- あなたの献血は、病気やケガで輸血を必要としている人に届きます。一人でも多くの皆さまからのご協力をお願いします。
- 血液は人工的に造れません。そして保存期間にも限りがあります。常に誰かが献血によって輸血用の血液を提供しなければならないのです。どうかあなたも、年間を通して継続した献血にご協力ください。
- 継続してご協力いただくことが大切な献血。もっともっと皆さまに知っていただきたいのです。つなげてください。広めてください。「献血を続けること!」
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