| 2002年11月30日Vol.6 |
なぜ、私たちは働くのでしょう? 生活のため、家族を養うため、車を買う、家を建てる、子どもを学校に行かせる、勉強する、ほしい服を買う、新しいパソコンを買う、旅行・・・。働き、お金を稼ぐ理由として思い当たることの多くが、「将来」のことではないでしょうか。では、もし、未来が不確かだとしたら?
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以前、旧ユーゴスラビア・コソボでの支援活動にかかわっていたとき、仲間たちとの食事中、「ここの人たちは、どうしてあまり働かないんだろう」という話になったことがあります。紛争は終息していましたが、「一発当ててやろう」という感じの貿易や外国人相手の商売に励む人たちは目立っても、コツコツ働く人の数が少ないように感じられたからです。 答えがなかなか浮かばず、ああでもない、こうでもないと言っているうち、だれかが、「じゃ、なんで日本人は働くんだろう」とつぶやいたのでした。そして、働く目的の多くが、「将来」「未来」にあることに気づいたのです。 コソボでは多くの人の家が焼かれ、車は破壊されたり、持ち去られたりしました。理由もないのに、住み慣れた故郷を追われた人や、家族を無残に殺された人もいました。すべてを一瞬に失う経験をした人たちが多くいました。日本に住む私たちにとって、「将来」は当たり前のようにやって来るもので、ふだんは意識さえしません。しかし、将来が見えない世界で生きている人も少なくないのです。そう思えたとき、紛争の後に、家を建て直し、農作業を始めた人を見る目が変わりました。 コソボの後も、私の所属するNGOピース ウィンズ・ジャパンでは、市民や企業、政府・公的機関と連携しながら、世界各地で紛争や貧困に生活を脅かされる人たちの支援を続けています。 例えばアフガニスタンもそうした地域の一つです。20年来の戦乱と3年続きの干ばつで避難民となった人たちへの緊急支援・越冬支援に続き、農村復興、自立への支援を進めています。農村部では、道路の補修をはじめ、給水、農業復興、学校再建が活動の柱。首都カブールでは、配偶者を失った貧困女性を対象にした養鶏事業や、教育を受ける機会のなかった成人(多くが女性)のための識字教育、農村部と同様の学校再建に力を入れています。 2002年夏、アフガニスタンから復興の"便り"が届きました。ある村の住民たちから、「小麦の製粉機(粉ひき機)を買うための資金を貸してほしい」という申し出があったのです。借りた資金は、住民たちが製粉のたびに払う機械の使用料で、少しずつ返済するそうです。日本の金銭感覚ではそれほど高価なものではありませんが、現金収入の乏しい現地の人にとっては、返済は決して楽ではないでしょう。 何より、「少しずつ返済していく」ということは、村の人が「将来」を想像できるようになってきたということです。アフガニスタンの情勢はまだ不安定なところもありますが、コツコツと働き始めた住民の姿の向こうに、きっと未来が生まれるのだと思います。 |
![]() 国内避難民の兄妹。彼らがアフガニスタンの未来をつくっていく。
![]() ピース ウィンズ・ジャパンが支援する識字教室で学ぶ女性。すぐに収入に結びつくわけではないが、教育への意識は熱い。
![]() ピース ウィンズ・ジャパンの養鶏事業でヒナを受け取る女性。収入向上へ期待が高まる。
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特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパン
| NGOピースウィンズ・ジャパンは、紛争地域や災害被災地等での人道支援や、被災者の自立・自活を目指し活動するNGOです。当社本社ビルで昨年実施(コスモ石油、東芝の共催)した「アフガニスタン難民支援」のためのクリスマス・チャリティ・コンサートにご協力をいただきました。社員をはじめとするコンサート参加者約500名から寄せられた募金は、ピースウィング・ジャパンを通じアフガニスタン復興のために役立てられました。 住所:〒154-0015 東京都世田谷区桜新町2-11-5 http://www.peace-winds.org/ |
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