| 2002年9月5日Vol.3 |
さて、いきなりですが算数の問題です。長方形の面積は縦×横で求まりますが、では三角形の面積はどう求めるのでしょう? そうです、縦×横÷2、または底辺×高さ÷2なんて公式を覚えているのではないでしょうか。では、なぜ三角形の場合はこの「底辺×高さ÷2」で求まるのでしょうね?
この質問をすると数学の得意な学生はたいてい次のように答えます。まず長方形の面積は「底辺×高さ」でよろしい。これは面積1の正方形のタイルを縦横に何枚並べられるのか。全体では何枚敷き詰められるのかを考えれば明らか。ここでこの長方形と三角形をとを比べると、各々AとA,BとBは面積が等しい。つまり「底辺×高さ=AABB」、だからこれを2で割るとABひとつ分になり「底辺×高さ÷2=AB」すなわち「底辺×高さ÷2=三角形の面積」
![]() これがたいていの人の答えです。しかしこれは僕に言わせればNOです。なぜならば次のような傾いた三角形もやはり「底辺×高さ÷2」で求まる説明ができないからです。(底辺と高さも同じだから面積も同じだという説明は駄目ですよ、まさに今、何故そうなるか理由を尋ねているわけです) ![]() もう少し質問を続けましょう。割り算です。「3÷5」、これは3つのものを5人で分けた時のひとりの取り分を求める式であることはわかりますね。話を変えます。分数の「3/5」、これは5分の3と読むわけですが意味は、ひとつを5つに分けたものを3つ集めたものですよね。そこで質問です。「3÷5=3/5」となることは小学生でも知っているでしょう。では何故このふたつは等しくなるのでしょうか?次は分数の掛け算です。分母は分母同士、分子は分子同士を掛け合わせれば答えは出ますよね。では、何故これで答となるのでしょうか? 分数の割り算は、とりあえず÷に続く分母と分子をひっくり返して掛け算に変えて解く、そうでしたね。何故これで正しいのでしょうか? ![]() 最近、あらゆる物に対して使い方しか理解せず、その仕組みを知らない生徒が増えています。算数や数学でいえば、解き方や公式は知っていても何故そうするとうまくいくのかが解らないという訳です。残念ながらこれまでは今までにない新しい物を創り出したり、初めて接する問題に対応できる力にはなりません。やったことのある問題しか解けない、似たような問題しか解決できない才能の集まりではその世界の発展は止まってしまうでしょう。 僕は高校から大学在学中に幸運にも数学者の秋山仁先生に師事することができました。当時、先生からはいつも「サル」と呼ばれていました。これは決してバカにされていたわけではありません。僕が数学の課題や問題集を仕上げる度に「お前はたしかにそれをこなして賢くなったかもしれない。しかしそれはすでに誰かによって解かれたものである。だからこそそこに載っているのだ。お前がやっていることはまだまだサル真似に過ぎない。人間として、一度でいいから誰も解いていない問題を解決せよ」と言われたものです。 新しい問題を解決するのは簡単なことではありません。しかし今まで使ってきた知恵やアイディアをうまく組み合わせたり、少し形を変えて工夫することにより解けたりすることもたくさんあるのです。そういう中から斬新なアイディアも生まれてくるのです。その為にはものごとの仕組みや本質をきちんと捕らえていないと手も足も出ないのです。 自然の中に放たれた子供たちはそれをすぐに理解します。最初は戸惑い、失敗を繰り返しながらきちんと本質をとらえて全体のバランスを理解する。必要な物がそこになければ有るもので工夫して何とかする。自然はごまかしを許してくれないので彼等は生きた知識を身体で直に学んでいくのですね。 人間が何気なく作った人工物が遠く離れた自然のリズムを崩したりします。海を守るためには実はまず山を守ることが大切であったりします。地球をとりまく環境がはげしく変わりつつある今こそ、自分たちの周りのことだけではなく全体のバランスをきちんと考えられる視野や知恵をきちんと養い、伝えていきたいものです。
一応、三角形の面積について正解を書いておきましょう。三角形の面積を求めるときはまず、もうひとつ同じものをひっくり返して付け並行四辺形にします。平行四辺形の面積は「底辺×高さ」で求まるのでこれを2で割ることにより三角形ひとつ分の面積が求まるわけです。では何故、平行四辺形の面積は「底辺×高さ」なのでしょうね? ![]() |
![]() コスモわくわく探検隊(2002年度)全員集合
![]() ムダなゴミをなるべく出さないで野外料理しようねと子供たちを指導する松山さん
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