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現在のページの位置: ホーム > 会社情報 > 社会貢献活動 > 「考」「感」エッセイ > 第27回


こうかんエッセイ 第27回 ~コスモと考えるフィランソロピーの今日・未来(あした)~

最新エッセイ 2010年7月12日Vol.27

障害のある方たちと共に働く~人と向き合うことで感じ、学ぶこと~

NPO法人ぱれっと おかし屋ぱれっと職員 長澤美佳

クッキー詰めの様子
作業風景
生地づくり
集合写真
当社での販売の様子

福祉分野への転職

私は一人の知的に障害のある方との出会いをきっかけに、前職であるパソコンスクールのインストラクターを退職しました。「資格が取りたい」それが彼の大きな目標であり、「できるならばスキルを身に付け、就職させたい」これが親の願いでした。実際は基礎の習得に時間を要し、「はたして目標を達成することができるのか?」私は不安を抱かずにはいられませんでした。と同時に、以前にも彼と同じような知的や聴覚に障害のある方がいたことを思い出しました。自問自答の末、見えてきたのは「障害のある方たちが"働く現場"で彼らと直接関わりたい」という思いでした。そして、私は9ヶ月間悩みに悩み"転職"という結論を出したのでした。

障害のある方たちが"働く"という現状

NPO法人ぱれっとの就労の場「おかし屋ぱれっと」に就職が決まり、心から嬉しかったことを今でも覚えています。福祉はもちろん、お菓子作りについても専門知識がない私は全て一からのスタートでした。仕事内容や覚えることなどは以前の職場以上に多く感じましたが、知ること、見るもの、出会うたくさんの人、全てが新鮮で楽しくて仕方がありませんでした。

一方、社会の障害者就労の環境においては、私の考えとは裏腹に本人の思いが尊重されていないものでした。特別支援学校卒業後、"働きたい"人に対し、仕事の選択肢や受入れ場所が少なすぎる現状だったのです。

社会人として「働きたい」と思うことは特別なことなのでしょうか?障害の有無に関係なく、仕事を通して夢を持ち、将来を見据え自立したいと願う人はいるはずです。しかし、障害があるがゆえに仕事のチャンスを得ることが難しい人もたくさんいるのです。

私が働いているおかし屋ぱれっとは知的に障害のある方たちが、社会人としての誇りを持ち、働くことを通して人間関係や自立に向けサポートをしています。彼らは製造から販売までの一貫した仕事に関わります。その理由の一つは、自分たちの商品をどのようにお客様に購入して頂き、自分たちの"お給料"となっているか認識するためです。また、最近では企業の社会貢献の一環として、社内販売の機会が増えてきました。お客様との直接のやり取りは、仕事へのさらなる自信と様々な人とつながりが持てる喜びを実感できる場になっています。

関係作りは相手と向き合うことから

時として、ストレートに感情表現する彼らとぶつかり合うこともあります。「なぜ分かってくれないの?」そうお互い思うこともあるでしょう。「喜・楽」の感情は良いとされていますが、「怒・哀」もまた大切な感情だと彼らとの関わりから感じています。もちろん、感情のコントロールは必要です。しかし、相手の反応を気にせず素直に感情表現できることもまた、幸せなことであり、実は難しいことでもあるのです。相手に自分の思いを伝えたい。それは相手と向き合おうとしている証だと思うのです。

日頃、私は彼らとのコミュニケーションの中で気を付けていることがあります。それは、私が伝えたことを、もう一度、本人に繰り返し話してもらうことです。彼らの中には、理解していないままでも「はい」と言ってしまう人もいます。また、抽象的な表現や「分かっているだろう」では上手にコミュニケーションは図れません。"人と向き合う"ということは、お互いが理解をし合い、納得することだと思うのです。さらに、分かりやすい言葉遣いやお互いが落ち着いて話せる場所の環境も大切な要素の一つだと思います。

仕事から見えてきたもの

おかし屋ぱれっとで働きはじめてから5年あまりが経ちました。私は自らの心の変化と仕事の奥深さを強く実感しています。NPO法人ぱれっとは福祉分野の仕事であると同時に"ソーシャルビジネス"です。その為、現場だけを見ているのではなく様々な分野の枠をも超え、"その人"との出会いやネットワークを大切にしています。そしてその広がりは日本だけにとどまらず、国を越えたつながりにまで発展しています。人との出会は、学びはもちろん、自分自身を振り返るきっかけであったり、さらには新たなアイディアを生み出す機会でもあるのです。

この仕事は発想力やチャレンジ精神が要求されると共に、「なぜ?どうしてなの?」と疑問や難題を突きつけられます。その度に"とことん考え、悩み苦しむ"の繰り返しです。時には「全てを投げ出したい」という思いにも駆られます。しかし、それでも仕事を続けている自分がいるのはなぜなのか?最近よく考えます。その要因が何であるかが分かった時、この仕事が真に自分の"もの"になるような気がします。使命感や責任感だけではない魅力が・・・。それが何なのか、今はまだ見つかっていません。自分を必要としてくれる人たちがいるからなのか?それとも自分を成長させてくれる場所だからなのか?これからも私の模索は続きます。

長澤さんの写真

長澤 美佳

【Mika Nagasawa】

プロフィール

NPO法人ぱれっと おかし屋ぱれっと職員

■NPO法人ぱれっと とは
ぱれっとは、就労・暮らし・余暇などの生活場面において障害のある人たちが直面する問題の解決を通して、すべての人たちが当たり前に暮らせる社会の実現に寄与する事を目的としたNPOです。渋谷区恵比寿を拠点に、障害のある青年を対象とした余暇活動支援・就労支援・生活支援・国際支援の各事業を中心に、1983年より活動しています。

連絡先

150-0011 東京都渋谷区東3-19-9恵比寿イーストビル101
*ぱれっと事務局 03-5766-7302(代表)
*おかし屋ぱれっと 03-3409-3774

法人全体URL

http://www.npo-palette.or.jp

おかし屋ぱれっと

http://www.okashiya-palette.or.jp/


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