高岡 先日、セルフ吉岡を見学させていただきましたが、大変清潔で気持ちの良い店舗でした。さらに店長をはじめSSスタッフの方々のていねいな接客にも感心しました。皆さんが活動の「3つの約束」を実行しているのはもちろん、"お客様が今何を必要としているのか"を考え実行に移すというサービス業の基本を経験的に身につけているように感じました。
森山 ありがとうございます。セルフ吉岡は2008年度「CSR」「顧客満足」「競争力」のすべてにおいて優秀な成績を上げた9店舗の一つです。したがって顧客満足だけでなく、環境管理や個人情報保護などの実施状況でも高いレベルにあります。
石本 SSはガソリンという危険物を扱うため、防火・防災対策や環境汚染防止を徹底する必要があります。また、カードの入会書類など個人情報の取り扱いにも注意が必要です。そこで当社では毎年2回、CSR診断を実施しています。
森山 「顧客満足」についても年間2回の外部モニターによる調査を通して活動の強化を図っています。また、「競争力」についてはモチベーション向上のため表彰企画を設け、優秀な成績を収めたSSのマネジャーが一堂に会する表彰式を例年開催しています。全国のSSにとって、表彰式への出席は大きなステータスであり、日々の活動に取り組むうえでのモチベーションにもなっているはずです。
高岡 "お客様満足を実現するためには、まず社員の満足度を高めろ"というのがサービスマネジメントの鉄則ですから、こうしたイベントで社員のモチベーションを高めることは大切ですね。ところで、お客様の声はどのように現場のサービスに反映されているのでしょうか?
森山 お客様から寄せられたご意見ご要望、クレームなどは、本社カスタマーセンターに集約され、その内容はもちろん"いつ誰がどう解決したか"という情報まで含めてデータベース管理し、必要に応じて現場にフィードバックしています。
石本 もちろん、クレームに限らず、"車が不調で困っていた時、的確なアドバイスをしてくれて助かった"といった感謝の声も数多く寄せられています。
高岡 チェーン店舗の場合、一つの店舗における対応の良し悪しが、ブランド全体のイメージを左右する怖さがあります。チェーンの規模が小さければ本部が各店舗に張り付いて直接指導することもできますが、全国規模のチェーンになるとそんな"監視型のガバナンス"は不可能です。
そこで必要になるのが、チェーン全体で価値観や理念を共有し、それらに基づいて自主的に行動してもらう方法です。コスモ石油グループの「"ココロも満タンに"宣言」は、こうした"価値観・理念の共有"を通じたガバナンスとして注目すべき活動だと考えています。
森山 「"ココロも満タンに"宣言」の理念は、すでにグループ全体に浸透しつつありますので、今後は具体的な活動の実行度をさらに高めていく計画です。
高岡 最近の消費者は、単に製品やサービスの品質、価格に限らず、例えば環境負荷や企業の経営姿勢、さらには販売担当者の人柄までも考慮して購買先を判断するように変わりつつあります。ですからコスモ石油グループには、活動をさらに徹底させて、消費者から「"この会社なら""この人なら"お金を使ってもいい」という、選ばれる存在になっていただきたいと思います。
森山 個々の店舗のレベルだけでなく、より広域なエリア単位でのサービス向上にも力を注いでいます。この取り組みをさらに拡充し、一人でも多くのお客様に"コスモの店なら安心"と感じていただけるブランドイメージを確立したいと考えています。本日は貴重なご意見をありがとうございました。

立教大学経営学部 教授
高岡 美佳 氏
著書に『CSRと企業経営』(学文社・共同編著)、『サステナブル・ライフスタイル ナビゲーション』(日科技連出版・編著)など著書・論文多数。

販売サポート部長
森山 幸二




