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CSR活動をさらに発展させるために

社員が自由に意見を交わせる活き活きとした組織風土が、CSRの実践を可能にする。

コスモ石油グループは、時代の変化や社会の課題を的確に反映したCSR経営を推進するために、外部のステークホルダーとの対話に努めています。今回は、CSR研究の第一人者である一橋大学大学院商学研究科の谷本寛治教授をお招きし、コスモ石油グループの取り組みへの評価や提言について、CSR担当役員の常務取締役 松村秀登とコーポレートコミュニケーション部長の庄田邦彦がうかがいました。

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サプライチェーン全体をとらえ企業経営にCSRを位置づける

谷本  石油産業はまさに産業の血液を扱っており、その影響力は計りしれません。事故なく安全に、安定的に消費地へ送り届けることはコスモ石油グループの使命であり、社会的責任と言えるでしょう。また「安定供給」「保安・安全」と同様に、環境や、人権、人事といった人の問題、さらに地域社会との関係づくりを、経営の一番中枢に位置づけていくことなどが、グローバルに求められるようになっています。

松村  おっしゃる通りだと思います。

谷本  これらのことを踏まえ、原油開発から石油精製、物流、販売といった非常に長いサプライチェーンを、CSRという視点でとらえながら、企業価値を生み出していくことが重要だと思います。

松村  そうですね。コスモ石油グループにとって安全操業・安定供給を実現し、地球環境への配慮や人権尊重、地域社会との調和など、社会の要請に応えていくためには、個々の部分だけではなく、CSRという視点で全体を最適化していくことが大切だと思います。

谷本  CSRの視点で最適化を図ることは、将来どういう会社になろうとするのか、どんな会社になりたいのか、ということから経営を見直すことであり、「会社の足腰」を強くするという点で中長期的に影響してくるテーマだと思います。

松村  昨年は、第2次連結中期CSR計画を策定し、環境、安全、企業倫理といったCSRの関連推進組織の上に、社長を委員長とするCSR推進委員会を設けました。各組織の活動が円滑に進むように、CSR推進委員会はグループ全体の視点から活動の統括を行っています。

谷本  連結中期経営計画とともにCSRについても中期計画を策定し、グループ全体で取り組まれていますね。財務目標のベースに経営への信頼をつくっていこうとする姿勢がうかがえます。

「企業行動指針」の定着とステークホルダーエンゲージメント

庄田  グループ全体でCSR活動に取り組むため、昨年10月に、2003年から運用してきた「企業行動指針」を、現場の一人ひとりがCSRの実践を“自らの問題”としてとらえてもらえるよう、内容の全面改訂を行いました。

谷本  日本の潮流もあるし、グローバルな潮流もある。そういう社会的な要請に合わせて内容を改訂するというのはすごく大事で、基本的なところです。

庄田  CSRの理念を具体的なアクションに落とし込むという目的は同じですが、社員アンケートの結果、「実態にそぐわない、わからない」という声がありましたので。

谷本  コンプライアンスや行動指針を理解して実践することは、会社や自分たちを守ることになるのですが、一人ひとりが理解し行動することが定着しなければ意味がありません。
また、社員もステークホルダーですから、その意見を聞き反映したということは、重要なプロセスだと言えますね。今後ステークホルダーエンゲージメントは、重要なキーワードになると思います。ステークホルダーとのコミュニケーションは多様で、その違いを精査しながらやらなければいけないと思います。

松村  各現場でやるというだけではなくて、それら全部を一つの経営として見たときに、コーポレートコミュニケーション部なり、経営が全体として調和させ、ステークホルダーからの声を吸い上げていければいいと思います。

谷本  そうですね。具体的課題について、地域の人々、NGO、あるいは専門家に集まってもらって声を聞くという方法もあります。また、顧客や投資家にある問題に関してアンケートをとることも考えられます。いずれにせよ、個々の課題に対して、ステークホルダーの声をどのように反映し、またどのようにフィードバックしているかが問われます。

庄田  とりわけ2006年の事故以降、コーポレートコミュニケーション部はさまざまなステークホルダーに対して、会社としての考え方を伝えていくことに努めてきました。だからこそ現場からの情報をていねいに取り扱っています。

松村  ある意味地道で誠実な対応が必要ですね。

庄田  起きた事案について、会社として、経営として、適切な対応についての提案を積み重ねていくことがコーポレートコミュニケーション部の役割で、社内の相談相手と認知してもらえれば、さらに情報が入ってきて、いいサイクルで回っていくと思っています。

谷本  内外の声をいかに日常の経営や業務に落とし込んでいくかが、重要になってきます。

ベースになるのは"人と人とのコミュニケーション"

谷本  ところで今後、CSR経営の実践にあたっては、体制・制度の整備に加えて、現場の"人"や"組織"の役割が一層重要になると思います。例えば、「長時間労働の防止」を定め、充実した休暇制度が用意されていても、具体的な支援が足りないとか、職場に休暇を取りにくい雰囲気があれば、制度本来の目的が生かせないという要因になります。

松村  ご指摘いただいた通りで、そうした現場レベルでの意識の共有化とマネジメントとしての実践的な取り組みが重要だと考えています。

谷本  私は、その際に最も大切な要素は、組織におけるコミュニケーションだと考えています。年齢や性別の違い、立場の上下などを超えて、社員が自由に意見を交わせる風通しの良い職場ならば、オープンな議論ができ、企業行動指針や法令などに違反する行為が見逃されることはなくなっていくと思います。

松村  マネジメント層の意識改革なども含め、誰もが前向きに働くことができる職場の風土づくりを進めていきたいと考えています。

谷本  部門内はもとよりグループ企業間、さらには社外とのコミュニケーションを一層活発化させて、意思疎通の取れた有機的な組織をつくり上げることが、CSR経営の推進には大切なことだと思います。

庄田  "人と人とのコミュニケーション"に尽きるということですね。コスモ石油グループのサプライチェーン内では、グループ会社や協力会社を含め、さまざまな人材が活動しており、全体の意思疎通を高めていくことは簡単ではありません。
ですが、まず私たちコーポレートコミュニケーション部が先頭に立って働きかけ、それぞれの組織内や現場と本社とのコミュニケーションなどを活性化させてきたいと思います。

松村  今回、お話をうかがって、当社のCSRの基本的な方向性や体制づくりは間違っていなかったと確認することができました。しかし、体制・制度の整備が進んでも、最終的にCSRを担うのは現場の"組織"や"人"であるというご指摘をいただき、大変勉強になりました。今後も、社会に信頼され、期待される企業グループであり続けられるよう、CSRの実践に努めてまいります。貴重なご意見をありがとうございました。

出席者プロフィール

一橋大学 大学院商学研究科 教授 谷本 寛治 氏

一橋大学
大学院商学研究科 教授
谷本 寛治 氏

1955年大阪生まれ。大阪市立大学商学部卒業。
神戸大学大学院経営学研究科博士課程単位修得後、経営学博士(神戸大学)、1997年一橋大学商学部教授、2000年より現職

常務取締役 松村 秀登

常務取締役
松村 秀登

コーポレート コミュニケーション部長 庄田 邦彦

コーポレートコミュニケーション部長
庄田 邦彦

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